リスニング上達の極意

最近「どうすればリスニングが伸びるのか」という質問をいただいたので、リスニングの上達に関する記事を書こうと思います。

 

彼女はオーストラリアに1年以上住んでいるのになかなかリスニングができない、という悩みを抱えています。

 

私自身、シャドーイング、ディクテーション、1000時間マラソン、そして精聴を全て試しました。そしてリスニングを上達させるのに最も効果的な練習方法に関して、ある結論に至りました。それは・・・

 

 

精聴+発音

 

 

です。

 

前の記事でも書いたのですが、正確な発音に勝るリスニング練習方法はないと言ってもいいと考えています。

さて、それではリスニングを上達させる練習方法を手順別に書いて行きます。

 


手順その1:聞き取れない英語を録音し、文字で書き起こす


会話なら会話、映画なら映画で、聞き取れなかった音声を録音します。それを文字にするのですが、英語ができる人か、ネイティブの人に書き起こしてもらいます。量的には、10分の会話(2000語程度)であれば十分です。

 


手順その2:リスニングができないのは「音声」の問題か?を確認する (リスニング以前)


「文字で書き起こしをしたらすぐに、そして完璧に理解できるの?」という観点から見てみます。聞き取れなかった英文を解答付きで見てみます。
例えば“I got him covered here, go get the descrambler.”という文章があった時、
「こいつの面倒はオレが見てるから、暗号解読器を取ってこいよ」と、スッと理解できるかどうかです。「理解できない」という場合は、リスニング以前の問題です。語彙力かもしれませんし、文法力かもしれません。

 

原因が語彙力の場合:
例えばdescramblerが分からない場合は、単純に語彙力の問題です。
もう一つ、例えば「cover」の意味が「覆う」という他に「保護する」等の意味があるということを知らなければ、解釈がスムーズに行かないこともあるかもしれません。
※ちなみに、中級者の方はこういった「知っている単語」をもう一度見直すことで英語力が飛躍的に伸びることがあります。

原因が文法力の場合:

A.文型がイマイチ分かっていいないので理解できない
I got him coveredは、SVOCです。「彼私は、がカバーされた状態にさせた」ですね。この辺があいまいな人は「あぁ~言われてみれば・・・」となるパターンが多いみたいですが、リスニングでは後から分かるスピードではついていけません。

 

B.時勢が予測できないのですぐに理解できなかった
過去形なのですが、口語だと現在完了のI have gottenの代わりにgotと過去形を使うことが結構あります。
で、ありがちなんですが、リスニングをしている時に「I have a pen」くらいだったらみんな日本人聞き取れるんですよ。なぜかって言うと、想像がつくから。

I got him coveredだと、まず「現在の状態で過去形の「Got」が出てくるなんて想像しにくい。だから聞き取れない。「got him covered」なんていう順番で言葉が出てくるなんて想像できない。だから聞き取れない。これはマジでありがちだと思います。対策としては、映画の字幕を見て、精読をすれば良いでしょう。

 

原因が「教科書的ではない」英語の場合
文中のgo getは文法的に誤りです。Go and getとなるべきですが、andを省略しています。会話ではこういうのがしょっちゅうあるので、聞き取れないことが多いようです。

 


手順その3:単語の発音が聞き取れないかどうかを確認


一つ一つの単語の発音を調べます。これらの発音が「思ってたのと違う」かどうかを確認します。正しい発音を覚えます。

 

※地方によってなまりが酷いこともあるので、何が「正しい」かは郷に入らば郷に従えということになりますが・・・。(例えばヨークシャーに住んでいる人がリスニングができない場合、ヨークシャーの音源を使う必要があります。)

 


手順その4 単語同士の繋がり(リンキング)が聞き取れていない・・・はずです。


手順3までで「ここまでは問題ない!」という方、問題は「単語と単語がつながった瞬間に分からなくなる」というものです。

 

リンキングを意識した発音トレーニングをすることで、徐々に聞き取れるようになります。
この発音トレーニングは前の記事に載っているので、こいつをやってみてください。

 

で、このトレーニング方法。これはもう、やればできるようになるのは自明の理というか、私に言わせれば「他にどうやって練習するんだよ?!」という方が正確です。

 

確かに一番地味です。分かっている文章を精読して、精聴して、それを何度も発音して、録音して、確認して、修正して・・・この一文だけやってて、本当にいつかリスニングができるようになるんだろうか?と、そりゃー不安になりますよ。

 

できるようになるはずないです。その一文だけでは。

 

だから、まず100文くらいをやってください。100文まで行かなくても、20文でいいです。その20文を「完璧にネイティブっぽく」発音できるようになってみてください。それがリスニングへの一番の近道です。

 

まとめると、以下の通りです。

・リスニングができない理由は、「リスニング」が原因でない可能性を考えよう(私の感覚では5割の人がこちら)
・本当に「リスニング」に問題がある場合、大抵は単語と単語の繋がり(リンキング)によるものだ
・リンキングを克服するためには、自分の発音を改善するのがベスト

 

というわけでいかがでした?

 

「リスニングできない!」と言っている人、自分の発音を見直そうと真剣に考えたことありますか・・・?なければ本当に一度考えてみてください!

 

今日は以上です。

 

 

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