一言に「英語力」と言っても、色んなレベルがあります。

私が駐在員として英語を業務で使った後、日本に帰ってきて英語が堪能な人たちとも会いましたが、何かが決定的に違う・・・と違和感を覚えることがありました。
普段「空気嫁」と言われている私が言うのもちゃんちゃらおかしい話ではありますが、今思い起こせば、それはTPOをわきまえた空気感があるかどうか?というものだったような気がします。
駐在員に求められる英語力
例えば外国人から「この件に関して本社と確認取ってもらえますか?(Could confirm this issue with the headquarters?)」とお願いされた時に「sure!」なのか「certainly.」なのか「absolutely!」なのか。日本語で言うと、「いいですよ!」「承知しました。」「全然OKっす!」という感じですかね。
これが、英語があまりできない初心者が「オッケーオッケー。アイ チェック! (ハイ、ハイ、ワタシ、チェックシマス!)」とやっている分には全く問題ないのですが、
それなりに英語力がある人が「オッケーオッケー、I’ll confirm!(はいはい、確認すればいいんでしょ←的なニュアンスになってしまうこともある)」なんてやっちゃうと、相手には「えっ?何その対応??」という違和感を与えてしまう可能性があります。

あるいはビジネスシーンで何か怒られた時に「次回は気を付けてくださいね」と言われた返しで「absolutely!」なんて答えると、表情によっては「ガッテン承知です!」みたいな変な空気感を作り出す・・・といった、そんなイメージです。
つまり、英語力のある部分は突出しているのに、会話の部分に関してはアンバランスなため、結果的に相手に不自然な印象を与えてしまうというイメージです。
ここでは、「駐在員に必要とされる英語力」という観点から英語力を含めた、総合的なコミュニケーションのレベル(目指す着地点)をお伝えします。
なお、テストスコアはあくまで目安です。(なぜなら、コミュニケーションスキルをテストで測るのは非常に困難なことだからです。)
この表のレベルを参考にしていただいて、バランス良くコミュニケーションスキルを育てていくのが良いかな、と思います。
駐在員に求められる英語力(順番) | レベルの目安・イメージ | テスト スコア | |
Lv.1 | 翻訳機能を使えば、相手が言おうとしていることが大方理解できる。 | 【初級】 | 測定不可 |
Lv.2 | シンプルに伝えるべきことが伝えることが、辛うじてできる。(対面・文面・電話) | ↓ | 英検 3級 |
Lv.3 | 相手が簡単な英語を使ってくれれば意思疎通が可能。 | ワーホリに行って帰った目安 | TOEIC 500 |
Lv.4A | 翻訳機能を使いつつ、きちんとした、シンプルな英文メールを書くことができる。 | 【中級】 | 測定不可 |
Lv.4B | 意図せず、無礼に聞こえる可能性がある英語を使うことがほとんどない。 | こういうのが、テストでは本当に測りにくいです。 | 測定不可 |
Lv.4C | 相手の英語が分からない時、自分が分からないポイントを整理してスムーズに伝えることができる。 | ↓ | IELTS 5.0 |
Lv.4D | 相手のメールで書いてることが、翻訳機能を使えば全て正確に把握することが可能。 | 大学受験を経て、英語難関大学に入学し、留学をしたレベル | TOEIC 800 |
Lv.4E | プライベートな場でシンプルな英語を使ってスムーズなコミュニケーションを図り、友人を作ることができる。1vs1で理解度を確認しながら複雑な事象を説明することができる。 | 英語力よりも人生経験が問われるが、駐在員には確実に求められるコミュニケーションスキル | 測定不可 |
Lv.5 | 相手のメールで書いてることが、翻訳機能を使わなくても全て正確に把握することが可能。 | 【上級・国際初級】語彙力・精読力が主に問われるため、到達するには時間と忍耐が必要。次のレベルに到達するためには通らなくてはいけない。 | TOEIC 900 |
Lv.6A | 会議の場で、反論を受け止めつつも7割以上が納得する論理を組み立てて発言することができる。 | 【国際中級】英語力よりも対話の経験が問われるが、駐在員には確実に求められるコミュニケーションスキル | 測定不可 |
Lv.6B | 翻訳機能を使いつつ、きちんとした「学のある英文メール」を書くことができる。 | ↓ | IELTS 6.0 |
Lv.6C | オフィシャルな場で、きちんとした「学のある英語」で自己紹介ができる。 | ↓ | 測定不可 |
Lv.6D | 業務の重要なポイントは、きちんとした「学のある英語」で説明することができる。 | 組織に影響を与える土俵に立つのに必要なレベル。海外四年制の大学に行った人もこのレベル。 | IELTS 7.0 |
Lv.6E | 丁寧な主張や断り方に配慮した上でコミュニケーションが取れる。 | 元々英語力がある人が駐在すると、こんな感じになる。ビジネスや学会で用いる第二外国語としての英語としては、ここまでで十分認められる。 | 測定不可 |
Lv.7A | 必要なシーンで、学のある英語を話すことができる。 | 【国際上級】 ネイティブから見ても「賢そうな」英語を話すことができるレベル。 | IELTS 8.0 |
Lv.7B | 相手が言いたいことを先回りして予測し、「こういうことですか?」とソフトな提案をしつつ理解度を示したり、相手の状況や立場を把握した上で、知的なユーモアを交えて話す。 | プライベートでもオフィシャルでも、良く見られるシーン。この辺りから相手は自分のことを「外国人」と見なくなる。バイリンガルと言われる人たちは(本人たちがそう感じていなくても)このレベル。 | IELTS 8.5 |
今後はもう少し具体的な評価基準も出していきたいと思いますので、引き続きご注目を!
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